美しさ

岡本太郎著「今日の芸術」より、第4章「芸術の価値転換」の中の一節。「芸術は『きれい』であってはあらない」より抜粋。

ところが、注意していただきたいことがあります。私がなぜ「きれい」と言って、とかくそれと同じような意味に混同して使われている「美しい」という言葉を使わないのかという点です。それは、「きれいさ」と「美しさ」とは本質的にちがったもので、ばあいによっては、あきらかに反対に意味付けられることさえあるからです。「美しさ」は、たとえば気持ちのよくない、きたないものにでも使える言葉です。みにくいものの美しさというものがある。グロテスクなもの、恐ろしいもの、不快なもの、いやったらしいものに、ぞっとする美しさというものがあります。美しいということは、厳密に言って、きれい、きたないという分類にはいらない、もっと深い意味をふくんでいるわけです。だから、はっきり分けたうえで、「きれい」という言葉を使ったのです。

太郎サのおかげで、「きれい」って言ったときにたまに浮かんでくる違和感のなぞが解けたダス! 「きれい」ってことばを使うようなときのきれいさは、表面的なんダス。心の奥まで届いていないんダス。

トン子ちゃんが憑依しているこんにちのわたくしであります。

コメント(6)

「自分の中に毒を持て」って本もいいよ。岡本太郎の言葉/思考は強烈だよね。でも共感が持てる。もう読んだ?

心の奥を掻き立てるもの、掻き乱すもの、それが芸術ってことでしょうか。

昔のアメリカのドラマ「FAME」の中でも同じようなせりふがありました。
「上手ね」と褒められたダンサーが、
「上手?上手って何だよ。『エキサイティングだ』『すごい』って言われたことあるけど、『上手』なんて、バカにしてんのか?」
って答えるんです。
「きれい」同様「上手」も表面的というか、教科書どおりで良い、という含みを感じてしまう言葉ですよね。

>hideking
その本まだ読んでないよー。次に買う本リストにいれておきます。
ジャンルに関わらず、何かの道を極めようとしてかなり極めている人の言葉って、すごく、ぐっとくる。


>chimiさん
ああ! 「上手」も確かにそうですねえ!
自分だったらどうかな、と考えてみると、本当に心が突き動かされたら「上手」って言葉はとてもじゃないけど出てこないと思います。

私もこの本読んでた!…いや、読みかけのままだわ。

その前に「青春ピカソ」というのを読んだのですが、
芸術論じゃない部分もおもしろかったです。

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