歌舞伎町お休みの日のクラブハイツ

歌舞伎町クラブハイツにて、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール。この会場は普段はキャバレーなんだって。真ん中に張り出しステージがあって、普段はダンスフロアなところにソファみたいな椅子が列に並んでて、その周りにはテーブルとセットになったソファ席が。お酒を飲みながら椅子に座って、こんなに近くでステージをみられるなんて、なんという贅沢な一夜でしょう!

開演前にドリンクカウンターの長い列に並んで、生ビールとチーズを載せたクラッカーを持って席に戻ったら、まず最初にクラッカーの皿をひっくり返し、落ちたものを拾おうとしたら生ビールをぶちまけました。手元に残ったのは、笑う牛の絵がついたサイコロ大のチーズ3つだけ……。あはははは!うわーん!

そんなやりきれない状況で迎えた開演ですが、演奏がはじまった途端、もうそんなことどうでもよくなってしまったのでした。またもや「いまここで世界が終わってもいい」感におそわれました。前のペペのライブの時もそうだったんだけど、音に身を委ねているうちに意識が朦朧としてきて、共感覚みたいな現象が起こるのです(目に映るものの上に絵の具で塗ったような色や形が、見えるというか、感じられる。ベースの音が濃いブルーで輪郭がぼやけてる、とか)。円形の会場の周りの壁は鏡になっていて、そこにステージ上の菊地さんが映ってテナーサックスがきらっとしているのを見た瞬間には、海に潜っていて一瞬息継ぎをしに水面に顔を出す瞬間みたいな気分になりつつ、ずっと朦朧としていたような気がする。

ホームグラウンドでのライブということで、菊地さんのトークは水を得た魚のよう。ふだんのホールコンサートでは抑えぎみにしようとしているかんじなのに、歌舞伎町のことをべらべら喋って、自宅の場所まで喋って、冗談がとまらなくなって深夜ラジオみたいになってました。

南さんがなぜ生ピアノじゃなくてエレピなのかと不思議に思っていたところ、「ここに置いてあるピアノに指一本でも触れたらその指がなくなる」と、言われたらしいです(笑)。残念だなあ、アコースティックピアノだったらと思うと。

終演後は、おなかもすいたし、菊地さんはまっすぐ帰らず歌舞伎町へとすすめるし、ということで上海小吃へ。青島、豆腐の細切り、春雨と挽肉、トマトと卵、茄子とモツ、それだけでおなかいっぱいになってしまった。

一緒にいったアコーディオンと鍵盤を弾く友人は、北村さんのバンドネオンと南さんのサングラスと菊地さんの不協和音と玲子さんの上海小吃を、気に入ってくれたみたいなのでよかったです。

本日のセットリスト。

  1. 組曲「キャバレー・タンガフリーク」4) 夜の全裸
  2. 京マチコの夜
  3. 組曲「キャバレー・タンガフリーク」1)孔雀
  4. はなればなれに
  5. Music On The Planet Where Dawn Never Breaks
  6. 組曲「ヴィオラ・トリコロール」1)第一楽章 紫
  7. 組曲「ヴィオラ・トリコロール」2)第二楽章 赤
  8. チェルシー・ブリッジ
  9. プラザレアル
  10. 組曲「キャバレー・タンガフリーク」3)儀式
  11. ルペ・ヴェレスの葬儀
  12. [アンコール] ファムファタール〜妖婦
  13. [アンコール] You Don't Know What Love Is

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